
Things that have form have no substance.
That is precisely why they can change infinitely.
形を持つものには実体がない。
だからこそ、それらは無限に変化することができるのだ。
「色即是空(しきそくぜくう)」は、『般若心経(はんにゃしんぎょう)』の中でも最も有名な言葉の一つです。
原文では、
色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)
と続きます。
色とは何か
ここでの「色(しき)」は、単なる色彩ではありません。
仏教でいう色とは、
- 物質
- 身体
- 目に見えるもの
- 形ある存在
など、私たちが「実在している」と感じるあらゆるものを指します。
空とは何か
「空(くう)」は「何もない」という意味ではありません。
仏教でいう空とは、
すべてのものは、それだけで独立して存在しているわけではなく、さまざまな原因や条件によって成り立っている
という考え方です。
例えば、虹は
- 太陽の光
- 空気中の水滴
- 見る人の位置
こうした条件がそろうと虹が現れます。
そのどれか一つが欠けると虹は見えません。
これは仏教の「縁起(えんぎ)」の考え方とよく似ています。
この条件があるから、これが生じる。
この条件がなくなれば、これも消える。
虹も同じく、独立した実体として存在しているのではなく、多くの条件の結びつきとして現れているのです。
色即是空の意味
「色即是空」は、
形あるものは固定的な実体を持たない
という意味です。
私たちは物事を「これが私だ」「これは私のものだ」と考えがちですが、実際にはすべて変化し続けています。
- 若さは老いに変わる
- 健康は病に変わる
- 財産は増減する
つまり、永遠に変わらない実体はないのです。
空即是色の意味
しかし仏教は、「だから何も存在しない」とは言いません。
そこで続くのが「空即是色」です。
つまり、
実体を持たないからこそ、さまざまな形となって現れている
という意味です。
水や雲のように
「すべては関係性の中にあり、だからこそ絶えず変化し、新たに生まれ続けている」
「色即是空」のたとえの通り、私たち自身も、人間関係も、置かれた環境も固定されたものではありません。「だからこそ変われるし、救われることもできる」という希望を含んだ言葉でもあります。
私たちは、「たまたま『縁』が重なってここにいるだけ」なのかも知れません。
・両親や先祖からの命のつながり
・今日食べたもの、吸っている空気、太陽の光
・これまで出会ってきた人や環境
そうした途方もない数の「縁」が奇跡的に重なり合って、いま一時的に「私」という形を作っているだけ。
でもそれは、「私は存在していない」とか、「私が何者かわからない」とか、そういうことではありません。「私」は確かに「ここにいる」が、決して孤立した固い岩ではなく、世界と緩やかにつながりながら常に流れている、柔らかい水や雲のようなものだと思えてくるのです。
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